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ツアコンカフェ

メルマガNo.6(2001.5.24)より
ツアコン実地研修のお話
マスターの正体、ちょいバレ編

ツアコンの皆さんは、どんな研修を受けて現場に出ているのでしょう? 資格を取るための研修(旅程管理研修)は別にして、会社それぞれの工夫があ るのではないでしょうか。

うすうす気が付いている通り(って、もうバレバレという声もあるけど) 僕は随分若いとき(ココ強調ね!)からツアコンの研修をやってきました。

旅程管理指定研修の講師をしていたこともあれば(おっ、マスターのプロフィ ールがちょっと明らかに!)、最近統合で揺れている某旅行会社の社員研修を したこともあります。

でも、今回はそういう「座学」ではなく、現場に出ての研修のお話をしましょ う。

東南アジアやアメリカ研修から始まり、今はヨーロッパばかりに行っています。 最近では僕の教え子が講師をやる事もあるようです。(なんか、えらくおトシ のような気分になってしまったぁ!ひぇ〜ッ!)

一般の方には「へぇ、ツアコンも研修やるの」と思われる方もいらっしゃるか も。・・・そりゃ、やりますよ。(笑)

さて、どうして今回は研修の話題を取り上げたかというと、最近アチコチのH P(掲示板)で研修を受けた人のカキコを目にするからです。 そして、講師の立場(というよりマスターの視点だけど)からのコメントが、 何かの参考になるかなと思ったからです。

これからの話は、あくまで僕のやり方と考え方です。会社(講師)によって考 え方が違うでしょうから、そういう方々を批判するつもりは全くありませんの で、予めお断りしておきますね。



 
こう見えても(何も見えてないって)、僕の研修は厳しいものでした。 某旅行会社が、これから伸ばそうと思う社員を全国から東京に集めて、泊りが けで研修をしたことがありましたが、胃痛で起きられなくなった社員がいて、 支店に送り返されたこともありました。

ちなみに、送り返したのは僕ではありません。本社の担当者の「この程度のプ レッシャーに耐えられないようでは、本番のツアーは任せられない」という判 断でした。

睡眠不足に食欲不振が重なって、現場で気分が悪くなったり失神する例もあり ました。本当はもっとスゴイ事もあったのですが、今回はカット!

それでも「今やっておけば、本番で楽だ」とか「どこまで耐えられるか様子を 見よう」といった理由で、結構恐い教官をしていた頃もありました。

じゃあ、今はどうかって?
これが、自分でも信じられないくらい「仏の講師」になったのですよ。 今では研修生の多くが「また行きましょうよ!楽しかったなぁ」と言ってくれ るようになりました。ホント。

実は、これには理由があるのです。



 
★理由1:研修中のお客様気分を容認しているから★
それまでは「ツアコンとしてどのように添乗するか」に焦点を絞って教えてい ました。当たり前のようですが、実はこれには落とし穴があります。

例を上げます。

集合時間の案内はとても大切です。徹底させないと迷子が出る事もある。 だから、研修では「どうやって案内を徹底させるか」を教えます。

でも(経験者は分かると思いますが)、中には聞いていないお客様がいる。 バスを降りる時にマイクで集合時間を案内したのに、降り際に「何時に集まる のぉ?」と聞いてくる。ツアコンはイラっとして、心の中では「今、言ったば かりだろうがぁ!」と思いつつ、こらえて笑顔を作りもう一度ご案内するわけ です。

こういう気持ちで仕事を続けると「客はツアコンの苦労も知らない」とか「聞 いてもらえない私はツアコンに向いていないのでは」という気分になっていく のです。

では、どこが問題なのでしょう?

・・・研修のアプローチの仕方が間違っているのです。

講師は「どうやって案内を徹底させるか」を教える前に「なぜ、案内が徹底し ないか」を教えるべきです。「話を聞かない客にどう案内するか」の前に「な ぜ話を聞いていないのか」を教えるべきです。

更に一歩進んで、教える前に研修生に感じさせるようにすることが大切です。 自分で感じた事は、他人から教えられたことより記憶に残るからです。 経験した事は、体が覚えるのです。それこそが、現場で研修を受ける意味では ないでしょうか?

では、具体的にどういうことか・・・

各社で研修のやり方は違うと思いますが、交代でツアコン役を経験するパター ンの実地研修は多いと思います。全員が一度にツアコン役はできないですから ね。

でも、担当していなくても研修中であることに変わりない。だから、研修生が ウインドーの中に気を取られてチンタラ歩いていたりすると「しっかり前を向 いて歩きなさい!オマエはノートを取っていないじゃないか!」と叱ったりす る。

でもよく考えると、歩きながらウインドーの中に気を取られる気持ちを経験す ることは、ノートを取るのと同じくらい大切な事なのです。

まさか本当のツアーで、お客様に「ホラッ、ちゃんと前を見て!キョロキョロ しない!」とは言えませんからね。そして、旅先でお客様がキョロキョロする のは、すごく自然なことなのです。足元に目を落としたまま歩いているお客様 の方が心配ですよね。

小さな事ですが、研修中にはこういう場面がたくさん出てくるのです。 もっと買物の時間が欲しい、チェックインしたら早く部屋に上がりたい、バス の前の方だけで話をされると後ろの方では疎外感を感じる・・・。

こうした経験の中に「なぜお客様は案内を聞いていないか」の答えがあるので す。

だから、ツアコン役の時だけが研修ではなく、担当していない時こそお客様の 気持ちを理解する絶好のチャンスなのです。

面白いことに、ツアコン志願者の中には自身がパッケージツアーに参加したこ とがない人がいます。パッケージ参加の経験がなくてもツアコンになれますが、 団体の一員として扱われるときの「不自由さ」を経験するのとしないのとでは、 お客様の心の理解度が違うと思うのです。

そういうことも含めて「仏の講師」となった今は、ただ恐いだけの講師をやめ、 研修生には「お客様気分」を十分に味わってもらうようにしています。

お陰で、国内添乗をやっていた研修生から「やっとお客様の気持ちが分かりま した。これからの国内添乗にも役に立てたいです」と言われることがあります。

でも、これは僕が研修生を「お客様扱い」するのとは根本的に違いますから誤 解しないで下さい。

★理由2:同じ釜の飯を喰った仲間ができるから★
ツアコンは、現場では一人です。
一般の会社のように、常に上司に見張られて(?)いない気安さもあるのです が、一人で判断を下して責任を負う孤独な要素もあります。それに他のツアコ ンが、ある意味でライバルにもなるわけです。

だから、気の合うツアコン同士が集まって発散することもあるのですが、10 日間以上研修を一緒に過ごすと「同期生」のような気分になることがあるよう です。それに★理由1★のように、研修ではあるけれど「旅行」のような雰囲 気もあるわけです。その同じメンバーともう一度「旅行」することなんてない でしょう。

そう考えると、時々研修「旅行」が懐かしく思えてくることがあるようです。 ツアコンカフェもそうですが、1対多数の仕事に追われていると、どこかに仲 間のいる癒しの場所を求めるのは人間の正直な姿なのかも知れませんね。

・・・という訳で、僕の実地研修は「大変だけど楽しい」らしい。
ツアコンの仕事の厳しさと、旅行というものの楽しさの両方を味わうのって、 その後のツアコンにとってとても大切なことだと思うんですよね。 それに、ダブルでお得な気がしませんか?(笑)

余談ですが、研修生の中にツアコンカフェを知っている人がいて、最後に白状 すると「エッ!先生があのマスターなんですか?」という場面も。今度研修生 には事前に正体をバラして行こっと・・・。


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