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2001年5月2日(水) ヴェニス
朝5時半にアラームが鳴る。
空はまだ暗かった。
僕は急いで支度して始発電車に滑り込んだ。
まだほとんど誰もいない。
しばらくするとフランス側の国境の駅に到着した。
これでフランスともお別れだ。

駅ではイタリアの列車が僕らを待っていた。
いままでの列車よりも大きく感じた。
いざ乗り込んでみて驚いた。
座席が6個ずつ仕切られていて、個室のようになっているのだ。
コンパートメントと言うものだろうか。
始めは一等席と間違えた程快適だ。
イタリアの鉄道は素晴らしい。
ベニスまでの道中が楽しみだ。
しかし、走って行くにつれ少しずつダイヤが遅れて行く。
ミラノに着いたころには一時間の遅れが出ていた。
まさしくイタリアといった感じなのか。
列車は遅れを取り戻そうと猛スピードでがんばっている。
なんだか憎めない。
だがしばらくすると様子がおかしいのに気付く。
なにやら煙り臭いのだ。
まさかと思って見てみると、前の車両の車輪から煙りがでている。
そのまま列車は止まってしまった。
降りてみると車掌さんが消化器で火を消している。
そうして一時間が過ぎた。
僕はさすがに不安になってきた。
しかししばらくして車掌さんが笛を吹き、発車するから早く乗れという。
本当に大丈夫なのか。
不安な気持ちで車内にもどると間もなく列車は動きだした。
そしていつの間にかヴェニスに到着していた。
何となくこの珍道中でイタリアにきた実感が湧いてきた。
駅を降りるとまさしくそこはヴェニスだった。
細い運河に囲まれた美しい街。
僕は確かにヴェニスにいるんだ!

昔父から聞いたのだが、僕の祖父は死ぬまでいつかイタリアに行きたいと言い続けていたそうだ。
彼は若くして亡くなったらしく、僕も父もその面影を知らない。
しかし僕が今こうしてイタリアにいるのは、そういった思いが見えない内に連れてきてくれたからだと思う時がある。
肉体が消えても、強い思いと言うのはずっと残り続けるのではないだろうか。
そして僕らはそれを大切に抱えて生きていくべきなのではないだろうか。

街の外れの小島にやっと宿が取れた。
明日はゆっくり運河を歩いてみよう。






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