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Last night ベルリン

 僕はその足で中央駅に向うと、アムステルダム行きのチケットを買った。あっさりと明日の夜行列車が取れた。いざ一仕事終えると、なんだか不思議な気分になった。そう、僕はアムステルダムに向っているんだ。旅は少しずつ、そして確実に前に進んでいく。

 宿に戻るとT氏はまだ帰っていなかった。僕はベットに横たわるとしばらく眠ってしまった。目が覚めるとT氏に起こされた。早速ビールを飲みに夜の街へ繰り出す事にした。そして昨日と同じ「CINEMA CAFE」に向った。ここはバーなどが集まった若者の文化の中心地なのだが、新しい宿から地下鉄ですぐ次の駅だった。路上には色鮮やかで大きな傘を持った女性が並んで立っている。T氏に聞いてみると娼婦だと言う。明らかに寒いんじゃないかと思う薄着で、身体をよじらせて誘惑している。僕はよく寒くないなと感心してしまった。夜の街は活気に満ちていた。恋人達が楽しそうに腕を組んで歩いている。僕はそんな風景が好きだった。ネオンに彩られた街と人々。まるで絵画のようだった。そして街は額縁のように全てを美しく包んでいた。しかし、空は今にも泣き出しそうな色をしていた。案の定しばらくすると雨が降ってきた。彼の行き付けのディスコテックも、人数がまばらで盛り上がりに欠けていた。

「Do you wanna back to hotel?」
「Yes」

 彼の一言で僕達は宿に戻った。少し照明が落とされた感じの良いロビーのソファーで、僕らはビールを飲んだ。とくに言葉が見当たらなかったので、二人はしばらくそのままでいた。
夜も更けてくると自然と旅人がそこに集まってきた。どうやら僕ら二人には、旅人達を寄せ集めてしまう何かがあるようだ。T氏は彼らを楽しませようといろんな話を始める。そう言う時の彼の話はとても面白いのだ。思わずみんな引き込まれる。そしていつも期待通りのオチが待っている。一同が心地よい笑いに包まれる。僕はつかさずそれに対する感想を言う。一同はしばし期待感に包まれる。T氏はそれに対して大袈裟なジェスチャーで受け流す。そしてその場はまたささやかな楽しい一時に包まれる。そんな風にして夜は更けて行った。
僕はふと彼に明日はアムステルダムに向わなければと彼に言った。するとT氏が両手を広げるゼスチャーで、君はまるで恋人の様な事を言うねと折り返した。僕は思わず確かにと言って笑ってしまった。

 ベットに入ってもなかなか寝つけなかった。いままでの旅が頭の中を巡っている。パリで空港から降り立った感覚を思い出す。それからいろいろな事があった。懐かしいような気もする。あれから僕は日付けを失ってしまっていた。しかし、僕は今ベットに寝ている。何も変わらずしっかりそこにいるのだ。


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