「えっ?ツアコンの席なんて決まっているの?」という方もいらっしゃ
るでしょう。でも、ある程度は決まっているのです。
国内旅行の場合は前方の補助席に座っている事が多いです。ちゃんとし
た席(正シートなどと呼びます)はお客様用。添乗員ごとき(!)は補助
席で十分というわけです(笑)。でも、海外旅行でツアコンが補助席に座
ることはありません。
また、国内旅行のバス内では添乗員がお客様の方を向いて立ったままマ
イクで話すのに、海外では、ツアコンは一番前の景色の良い席にドカっと
座ります。そして前を向いてお客様に背をむけたままマイクでご案内する
のです。それに国内ではガイドが立ったままのことが多いですが、海外では必ず
座ります。
なんだか国内旅行に比べて海外旅行ではツアコンやガイドの態度がデカ
イと感じますか?(笑)
そういう方のために、ここで少し理由をご説明しておいた方が良いでし
ょうか?
- 先ずバスの構造上の問題です。海外のバスには、そもそも補助席がありません。だから座れません(笑)。
- 日本のバスでは運転席の脇に添乗員が背中を当ててバランスを取る部分がありますが、海外のバスにはあのようなものはありません。だから進行方向に背を向けて立って話すとバランスが取れませんし、カーブや急ブレーキをかけた時に転倒してしまいます。
- それ以前の問題として、ツアコンやガイドが立ったままでいると、法律上ドライバーはバスを運行できないことになっています。
そういうことですので、海外旅行では「ツアコンが一番前の良い席に座
って、客に背を向けたまま話すなんて、なんと無礼な!」と不機嫌にはな
られません様にお願いいたします。m(_ _)m
さて、機内でのツアコンの席はどこが良いでしょう?
ツアコンの新人研修でこの質問をすると「一番前です!」と答えた人が
いました。どうして?と聞くと「お客様から見やすいですし、用事があれ
ばどこにいるかすぐ分かりますから!」と元気の良いお返事。う〜ん、そ
れも間違いとは言い切れないが・・でも、正解は一番後ろの通路側、とい
うことになっています。
通路側であるのは動きやすいためです。
後ろに座るのは、「お客様に見つけてもらう」よりも、こちらから目を
配って、何か困っている様子のお客様にはツアコンの方から見つけて声を
かけるためです。その方が「用事があれば、アナタから来なさい」という
態度よりは良いのではないでしょうか。
sところで、「景色の見える窓側を」と言う方がいらっしゃいますが、長
距離のフライトで景色を楽しめるのは時間にしてわずかなものです。眠る
時に頭をあずけるため、というのも、構造によってはむしろ不自然な姿勢
で首が痛くなります。それに最近注目されている「エコノミークラス症候
群」を避けるためにも、私は個人的には仕事抜きでも通路側が好きです。
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